齋藤健一の話 物語編

齋藤健一が語る名作

桃太郎

 桃太郎のお話。

 

 昔、昔、桃太郎という若者が関東地方に住んでいました。

 

 桃太郎がとある川で渓流釣りを楽しんでいたら、どでかい桃が流れてきました。

 

 桃太郎は、その桃をスパッと薙刀で一刀両断しました。すると、中から猿と雉と犬が出てきました。

 

 「おい、お前ら、一体、どういった経緯で、桃の中に入って、この川を流れてきていたんだい?」

 

 犬「へい、実はあっしは、キャリアと呼ばれる携帯電話会社の一つを使っていました。でも、そこの料金が高過ぎて、とうとう支払えなくなりました。そうしたら、直ぐにスマホの利用停止、及び、機器代金の未払いということで、スマホ本体も没収されてしまったのです。

 

 そんな時、別のキャリアを使っていた雉、そして更に別のキャリアを使っていた猿と知り合いました。こいつらも、あっしと同様、月々のスマホ代が高過ぎて支払えなくて、利用停止とスマホ本体の没収という憂き目に遭ってしまいました。

 

 そんな時、未払いの料金回収屋が家にやってきて、金目の物を全て奪われました。それで、三匹共、家も追い出され、野宿することになりやした。

 

 それで、仕方が無いので河原で寝ていたら、夢を見ました。それは、大きな桃の中に入ってこの川を下れば、やがて人生を変える出会いがあるというお告げのような夢でした。三匹共にその夢を見たので、こうして実行したのです。それで、あなた様に出会った次第です。

 

 あなた様こそ救世主、どうか、あっしらの為にも、スマホ代金が高過ぎて苦しんでいる人々の為にも、是非、起ち上ってください!あっしらもお供します!」

 

 そういった経緯で、桃太郎は、シマノの釣り竿と薙刀を所持して、三大キャリアの本社に、その三匹を伴って乗り込みました。

 

 まずは、オレンジ色の会社に乗り込みました。

 

 「やいやい、ちょっとお前さんのところのスマホ代金、高すぎるんじゃねえのか!ちょっと、こいつらの為にも、安くしちゃくれねえか?」

 

 すると、社長の牛島鬼次郎が出てきました。

 

 「うるせえよ、文句があるのなら、もっと金を稼げばいいだろう。それに、契約通りにスマホも没収したまでよ。こっちは正当な手続きを踏んでいるんだよ!業務の邪魔だ!あっち行け!」

 

 桃太郎「ふ~ん、そうですか。なら、こっちにも考えがありますよ。この釣り竿で、おたくのお店、滅茶苦茶にしてやるさかい、覚悟しときいや!」

 

 そう言って、桃太郎は出て行きました。

 

 街中にあるオレンジ色のお店に到着すると、桃太郎は、釣り竿で片っ端からスマホを釣っていきました。次々に猿の持った網に納まっていく展示機種と在庫のスマホ。とうとう、店内にあったスマホは一台も無くなりました。

 

 店員「ど、泥棒~!あんた、こんなことしていいと思ってるの!」

 

 桃太郎「うるせえ!てめえら三大キャリアがつるんで、カルテルを結んでいるのはとっくの昔にお見通しよ!正直に、価格を下げろ!」

 

 店長「わ、分かりました。価格を・・・毎月8000円から・・・毎月100円にさせて頂きます!!」

 

 桃太郎「あともうひと超えだよ!」

 

 店長「う~ん、では、新型アイフォンも無料でプレゼント致します!」

 

 桃太郎「てめえ、それ、解約金が凄まじいことになるとか、裏があるんじゃねえだろうなぁ」

 

 薙刀で店長の首を撫でる犬。

 

 店長「ご、ございません!解約金も、いつ解約してもタダに致しますんで、許してください!ひえ~・・・(汗)」

 

 桃太郎「よしっ!これで、世直し成功だな。万事解決だ。この調子で、残り二つのキャリアも潰しに行くぞ!」

 

 雉・猿・犬「おー!ワンワン、キー、ニャン」

 

 一年後、三大キャリアは大幅な赤字により倒産した。

 

 しかし新たに、犬が社長のドッグモ、猿が社長のモンキーバンク、雉が社長のキージーというキャリアが出来た。今までの三大キャリアの設備をそのまま買い取ったから、新たな設備投資は不要だった。

 

 新たな三大キャリアはカルテルを結び、毎月のスマホ利用料の平均支払額は、暴利を貪っていた三大キャリア時代よりも、35%アップしたという。ちなみに、35年以内に解約すれば、どの時点で解約しても、解約金108万円がかかるようになった。

 

 桃太郎は、三大キャリアからの株の配当により、悠々自適に暮らしましたとさ。

 

 終わり。